上手い立ち回りができるようになるのに慣れが必要なので、最初の２戦はトップの独走という形になりましたが、３戦目はかなりの接戦となりました。

自分もそれほどボードゲームの経験があるわけではないので知らないだけかもしれませんが、
国家間の戦争をテーマにしていながら、あまり似たようなシステムは無いように思えました。
国を間接的に支配しながら戦争をするという点では「チグリス・ユーフラテス」っぽいかなとも思えますが、かなり独創的なゲームであるように思えます。

また、プレイヤー同士が直接戦うゲームでありながら、どこを攻撃するのが一番いいか盤上を見れば明らかである場合が多いので、
殺伐としたり怒りをためたりする展開になりにくいので、安心してプレイができましたね。

あと、国の滅亡などの展開がプレイのたびに違いがあって、毎回物語が作られていく感覚があるのもよかったです。
この辺をほとんど重視しないボードゲームも多いので、よい特徴だと思いました。

あと、キャラクターが魅力的なのもよかったです。頼りになる「アーサー」や、出てくると狙われる「セリーヌ」や、
有能な故に狙われる「アーガイル」や、聖職者なのに神界に行けない「ミラ」や、家族おもいの「モルディブ」など、
プレイしていて印象に残るキャラが何人もいたのがよかったです。プレイ中の会話が弾みました。

１回目は、とあるプレイヤーが「翔王の槍」の宝具で自分が支配する国の君主を強化した後に、その国を他のプレイヤーに乗っ取られるという展開で幕を開けました。
また別の国では二人のプレイヤーがその国の支配権を巡って、ひたすら延々と影響力コマを置き続けるという泥仕合に発展しました。
そんな中もう一人のプレイヤーが「龍殺斧オーグ」の宝具でキャラを強化した後、着実に戦争で得点になる武将カードを集める展開となり、
他のプレイヤーは妨害することもできず、そのプレイヤーの圧勝となりました。

２回目は一人のプレイヤーが１ラウンド目で武将カード２枚を神界に送って８点を取る中、他の３人のプレイヤーは陣営の強化に時間を使いすぎてしまい、
ほとんど点が取れませんでした。２ラウンド目もトップのプレイヤーが宝具なども使って着実に点を取る中、盤上は戦争であまり点が取れない状況となってしまい、
トップとの点差はさらに広がります。そして３ラウンド目も状況はほとんど変わらず、そのままトップの圧勝で終わりました。

３回目は、前回のゲームで序盤から点を取らないと勝てないと皆が気づき、全員が最初から積極的に点を取るための行動を取る展開となりました。
そして盤上から高得点の取れる武将がほとんど消えた終盤は、勝っている国への影響力コマの置き合いとなる中、
最後の最後に宝具の「アレンティア」を使って国の支配権を奪ったプレイヤーが接戦を制しました。

気になったところを挙げるとするならば、独創的なシステムであるが故に有益な行動が分かりづらく、利益が少ない行動をとってしまいやすいことですね。
資源の獲得とかの行動があるゲームならば、基本的にその行動は無駄にはなりませんが、このゲームの場合、死者の魂の獲得は時間の浪費になりやすいし、
他のプレイヤーが支配権を得ている国への影響力の使用は、対象やタイミングを誤ると無駄に終わります。戦争は仕掛けて負けるのは論外としても、
状況によっては勝ってもあまり利益がありません。初プレイではこの辺が分からないうちにゲームが終わってしまいそうに思えます。

あと、ゲームが終盤になるほど得点が取れなくなっていくのが気になりました。大抵の場合、勇者値の高いキャラから取られていくので、
最終ラウンドでは、スタートプレイヤーが魔王軍に滅ぼされた国の君主カードを取った後は、何をやってもほとんど点にならないという状況にもなりがちです。
このゲームではゲーム開始直後こそが一番得点の取れる可能性が高い状況なので、そこで出遅れるとチャンスがないまま終わってしまいます。
今回のゲームではそれが分かった３回目では全員最初から積極的に点を取るための行動をして接戦となりましたが、そこにすぐには気づけなかったなあ、という感じでした。

実は前回のゲームマーケットでこのゲームが売られているのを見てはいたのですが、複雑なウォーゲームっぽく感じてスルーしていました。
今回このような機会でプレイできてよかったです。とても楽しめました。